解決事例(相続・時効を援用したり、成年後見人を選任たりして解決した事例)

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1 事案内容

  本件は,依頼者の叔母(被相続人)が亡くなり,依頼者の両親が既に亡くなっていたため依頼者とその妹が相続人となった代襲相続の事案です。依頼者は,叔母の財産状況を全く把握しておらず,叔母が居住していた建物の底地は祖父母名義のままであり,叔母の水光熱費電話代等の未払いがあること,叔母にその他の債務の存在がうかがわれる郵便物がありました。さらに,妹が重度の障害を有し,施設に入所しており,妹の財産も叔母に管理してもらっていたため,妹の施設費用等が未払いになっていること,今後の同費用等の支払いの管理についても不安がありました。

2 解決方法

  叔母の相続につき放棄をするか否かを検討する必要がありますので,叔母の債務の存在が疑われる郵便物一式から債権調査を行うとともに,相続放棄期間伸長の申立を行うとともに審判を得ました。さらに,施設で妹本人と面会した上で施設長及び担当の方から説明を受けて状況等の確認を行った上で,妹の成年後見の申立を行いました。

 その後の債権調査で,叔母の債務の多くが消滅時効にかかっていることが判明したことから内容証明郵便にて消滅時効の援用を行ないました。また叔母が居住していた建物及び底地については隣地の方が購入を希望したことなどから相続することとし,妹の成年後見人とともに遺産分割協議を行い,不動産売却手続きを行いました。

 そのため,依頼者はその売却代金で,叔母の債務等一切を清算しその余剰を得るとともに,妹に成年後見人が選任されたことで,未払いとなっていた妹の施設費用等も,妹が取得した遺産により解消され,今後の妹の費用の支払い等の心配もなくなりました。

3 雑感

  主に相続事案として相談を受けましたが,遺産分割を行うにしても共同相続人である妹に成年後見人が必要となる事案であったこともあり,成年後見の申立を行うことで妹の今後の心配についても解消できました。また,財産状況を把握していなかった被相続人である叔母の財産につき,相続放棄期間伸長の申立を行うことで,その調査も時間をかけて行うことができました。遺産分割までには様々な手続きが必要となりましたが,各手続を経ることで,財産状況をしっかり把握した上で熟慮し,叔母の債務についても消滅時効を援用することでマイナスの財産も最小限にでき、叔母の不動産を売却できたことで、妹の施設費用の未払分も支払うことができ、依頼者にとっても良い結果となりました。

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