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フランチャイズ契約における中途解約違約金条項とは
フランチャイズ事業に加盟する場合、まずフランチャイズ加盟契約を締結する必要がありますが、加盟者が契約途中で解約する場合、本部に対して、違約金を支払う必要がある内容の条項が入っているのが通常です。
例えば次のような条項です。甲を本部とし、乙を加盟者とします。
- 「乙が契約期間中に中途で解約する場合、甲は、乙に対して、平均ロイヤリティの6ヶ月分の違約金を請求することができる。」
- 「乙が中途解約する場合、乙は甲に対して、違約金として金100万円を支払わなければならない。」
中途解約に基づく違約金の額は本部が自由に決めますので、条項の内容は様々となっております。
そうすると、一旦加盟すると、加盟者が何らかの理由でフラインチャイズ契約を解約したい場合は、違約金を支払って解約しなければなりません。
中途解約違約金条項の趣旨
このような中途解約の違約金条項の趣旨としては、本部としては加盟者が開業直後に閉店すると、フランチャイズ全体の信用毀損が生じることを防いだり、また加盟者が安易に中途解約をすることができるとなれば、チェーンの統一性を維持できなくなることから、それを抑制する必要があります。
しかしながら、加盟者にとっては本部に対して違約金を支払わない限り中途解約できないことは営業の自由や経済活動の自由を制限することにもなります。
例えば、フランチャイズに加盟したものの実際には利益が出ずに赤字の場合や体調を崩してしまい業務を継続できない場合でも、違約金を支払わなければ営業を継続しなければなりません。
そして、違約金が高額すぎると加盟者は解約したくても解約できない状況になってしまいます。
中途解約違約金条項の有効性について
では、違約金を定めた条項は有効なのでしょうか。
裁判例では、違約金条項を定めること自体は直ちに無効となるものではなく、違約金が社会的良識や正常な商慣習に照らし合理的に必要な範囲を超える場合は公序良俗に反して無効とされることがあるとされています。そして、契約途中で解約する場合の違約金を500万円と定めた条項を公序良俗に反するとして無効した事例があります。
ただし、違約金の定めが公序良俗に反するかどうかは金額だけで決まるものではなく、条項の趣旨、目的、内容や契約締結に至る経緯、当事者に与える利益不利益や経済的力関係などで総合的に判断されることになります。
もっとも、中途解約による違約金がロイヤリティの1年分を優に超える金額であれば公序良俗に反する可能性があるといえるでしょう。