解雇処分をされた事案の解決事例②

1 事案内容

 依頼者は勤務している会社から勤務態度不良等を理由として、いきなり解雇されてしまいました。依頼者は解雇予告手当ももらっておらず、また次の就業先も決まっていないため、途方にくれて当事務所へ相談に来られました。

2 事案の分析及び解決方法

 依頼者から事実関係を確認すると、会社が主張する勤務態度不良等の内容が全く事実と異なっており、会社が主張する内容が仮に事実であったとしても解雇の要件を充たしているものとは到底解せないものでした(不当解雇されそう・された方へ)。

 また、依頼者が勤務していた会社は外国法人であり、雇用契約上は会社の現地法が適用されるとの契約内容になっておりました。そして現地法では、労働者に対する解雇は自由に行うことが可能であり、解雇予告手当の支払も必要がないものでした。

 しかし、依頼者は外国法人と雇用契約を結んでいるものの、日本国内で勤務していたため、法の適用に関する通則法12条(注)によれば、解雇権の行使については日本法が適用される事案でした。

 そこで、会社に対していきなり訴訟や労働審判を申立てるのではなく、まずは交渉を試みました。当方は解雇に関する本件事案では日本法が適用されるため会社の解雇手続には理由がなく解雇は無効であることを主張しました。

 しばらくは会社の担当者とやりとりを続けていましたが、最終的に会社は解雇処分を撤回し、依頼者の給料の4ヶ月分近くの解決金を支払い、依頼者は退職することで合意が成立しました。

 (注) 法の適用に関する通則法12条

  1 労働契約の成立及び効力について第7条又は第9条の規定による選択又は変更により適用すべき法が当該労  働契約に最も密接な関係がある地の法以外の法である場合であっても、労働者が当該労働契約に最も密接な関係がある地の法中の特定の強行法規を適用すべき旨の意思表示を使用者に対し表示したときは、当該労働契約の成立効力に関しその強行法規の定める事項については、その強行法規をも適用する。

3 まとめ

 本件は訴訟や労働審判を申し立てることなく、交渉でまとめることができたため、依頼を受けてから2ヶ月程で解決に至りました。

 勤務する会社から退職を求められたり、解雇されたりすると、従業員としてはどのように対処してよいのかわからず、自ら会社と交渉していくのは過度な負担となり困難と思われます。

 そこで、退職勧奨や解雇処分を受けてお困りの場合は、是非アーツ綜合法律事務所へご相談下さい。

 

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