未払残業代を請求されそう、請求された会社の方へ

未払残業代とは

未払残業代とは1日8時間の所定労働時間を超える業務時間に対して生じる割増賃金のことを言います。中小企業では残業代が支払われていないことが多く、退職した元従業員から請求されるケースが増えております。最近では大手運送会社が長年の残業代未払により従業員に多額の賃金を支払ったことが思い起されるところです。

 

未払残業代は会社にとって大きなリスク

未払残業代は多くの会社(特に中小企業)では長年に渡って放置されていることが多く、実際に請求された時点で相当な金額になっております。そのため従業員から請求されると会社にとっては経営を圧迫する大きな要因となります。もっとも中小企業にとっては残業代を払いたくても、まともに払っていたら会社自体の存続が危ぶまれることから、支払えないという実情もあります。しかしながら法律上は支払義務が課されており、裁判になれば付加金という加算金が命じられることがありますので注意が必要です。

 

未払残業代の請求を防止するには

現在、従業員から未払残業代を請求されていない場合でも、今後の請求を予防するためには、できる限り残業をしない業務体制を構築していくか、時給を抑えるかのいずれかの方法しかありません。

昨今、働き方改革などでワークライフバランスが声高に叫ばれている状況を考えるとできる限り残業をしない業務体制を確立していくことが必要であり、経営者の皆様も一度、業務の合理化などを検討し、残業時間の削減に向けての取り組みを行なうべきでしょう。

しかしながら、どうしても残業が生じるという職業・職種もあることも事実であり、これらの職業・職種では残業時間を削減していきましょうと言ってみてもあまり意味がありません。このような場合、毎月の残業代を定額で支払うという制度を採用することが考えられます。これは、例えば毎月20時間分の残業代を支払うことにしておき、ある月の残業時間がたとえ20時間に達していなくても、20時間分の残業代を定額で支払うとするものです。もっとも、この月の残業代が20時間を超える場合、超えた分の残業代は支払う必要があります。

このような制度を採用するには時給を従来から下げることとセットで行う必要があります。そうしなければ会社の費用負担が増えてしまいます。このように毎月の残業代を定額で支払うことにより、未払残業代が生じる余地を減らすことができます。しかしながら、残業代を固定化した上で時給を減らすには従業員の同意を得た上で就業規則を変更する必要があります。この点は、従業員に丁寧に説明の上同意を取り付けていくしかないでしょう。

 

未払残業代を請求された場合

多くのケースでは会社を退職した元従業員から請求されることが想定され、また未払残業代に対する反論は様々なものとなります。

まず、このような請求がなされた場合、反論としては消滅時効が経過しているということがあげられます。未払残業代は2年の時効期間がありますから、この期間が経過していれば支払う必要がなくなります。

次に、前述した毎月定額の残業代を支払っていたのであれば、このような主張をすることによって残業代の請求を免れる可能性があります。

また、未払残業代を請求する元従業員の請求は多くの場合、自らにとって都合のよい時間を算定した上で最大限の請求をしてくるので、会社としては請求を受けてもその点を踏まえて精査する必要があります。元従業員が残業時間を不当に増やしていたのであれば当然のことながら相当かつ適正な時間に減少することができます。

個々の事案はケースバイケースであるため、未残業代が請求された場合は早急に弁護士に相談することお勧めします。

 

弁護士に相談するメリット

未払残業代が生じることを予防するには、個々の従業員の同意の取り付けや就業規則の変更が必要になります。特に就業規則の変更は若干、専門的技術的な点がありますので、弁護士に相談することによって適切な方法を取ることが可能となります。

また、未払残業代が請求されている場合は、どのような主張が可能であるのか早急に検討する必要があり、弁護士に相談することによりその点が明確となってきます。

このように弁護士に相談していただければ適切な助言ができますので、相談することをお勧めいたします。

 

労働問題業務 関連メニュー

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー